不二家憩希のブログ

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ヒンズー・スクワット伝来す。

 私は筋力トレーニングとしてヒンズー・スクワットを
行っている。
 これはその名の通りインド由来のトレーニング法で
ある。
 インド人はスポーツにあまり興味が無い国民といわ
れている。
 先頃のロンドン・オリンピックにもその人口や国力
からするととても小さい選手団しか参加していない。
 オリンピックがトップニュースになることもなく、新聞
にも小さな記事が載るだけだ。
 テレビやラジオも特別な放送枠は設けられず中継
も無い。
 普通のよくある国際大会程度の扱いなのだ。
 そんなインドではあるが、格闘技は古来より盛んだ
った。
 蹴りやパンチが中心の立ち技系格闘技、投げや組み
付きが主体の組技系格闘技、武具を用いた武道とい
ずれも伝統ある流派がある。
 特に人気があるのがレスリングである。
 ヒンズー教の神事の後の余興にレスリングの試合
が行われたりする。
 ヒンズー教の聖人や導師もそれを観戦し、腕自慢
の導師は自らも試合に参加したりする。
 このあたりは日本の相撲にとても似ている。
 ヒンズー教の聖地ベナレス周辺には、レスリングの
道場が何十とある。
 1950年代日本のプロレスラー力道山は、そこから
選手を招いた。
 当時のレスリン・インド・チャンピオン・ダラ・シンで
ある。
 シンはさすがに強豪で日本勢は歯が立たなかった。
 どうしてあれほど強いのだろう?
 体格が違うわけではない。
 何か秘密があるはずだ。
 日本人レスラーはシンを研究・観察することにした。
 そこで発見したのが、シンのトレーニングにあった。
 シンは足の屈伸運動を何回も繰り返していたのだ。
 爪先立ちで爪先に重心を置き足を曲げ腕を振って
いる。
 単純な運動ではあるが、これこそがシンの強さの
元ではないか。
 そう確信した力道山は、このトレーニングを日本の
プロレスにも取り入れた。
 この屈伸運動は、プロレスラーによりヒンズー(イン
ドの)・スクワットと呼ばれるようになった。
 スクワットはプロレスの練習の基本として据えられ、
レスラーは1000回を一単位として毎日行うようにな
った。
 スクワット運動の日本への伝来は、プロレス道場
だったのだ。
 最近ではスクワットと言えば筋トレの中心メニュー
である。
 だが、30年前まではスクワットをやるのはプロレス
ラーくらいのものだった。
 スクワット=プロレスだったのだ。
 そもそも筋トレ自体が昔のスポーツ界では今日ほ
ど重視されていなかったと記憶している。
 そんな時代からスクワットで鍛えていたプロレスラー
は意外なほどクレバーなのである。