朝6時前、雨戸を開けた。
朝夕だけは、ようやく秋らしくなってきており少し涼
しい。
私は我が家の前の道を眺めた。
少し靄（もや）がかかったような朝である。
すると、道の東から何かがやって来る。
人が犬を連れて走っているのだ。
全力疾走だ。
100メートルダッシュのような勢いである。
犬はポメラニアンと思われる小型犬だ。
人は20代くらいの小柄な女性である。
飼い主の前を1メートルほどを走っている。
さすがに犬は本気を出すと速い。
だが飼い主も犬に負けていない。
大人がこれほど真剣に走っている姿を見るのは珍
しい。
これは犬の散歩か？
走っているので散歩とは言えない。
その人と犬は我が家の家から少し行ったところで
減速した。
そして、何もなかったように普通に歩き始めた。
さすがにあの速さで走り続けるのは難しいだろう。
この一人と一匹は毎日こうして走っているのだろうか。
運動会シーズンなので練習しているのか。
それとは関係なくトレーニングしているのか。
あるいは犬へのサービスで走っているのか。
犬は楽しそうだった。
人もさっぱりしたような感じだった。
この辺りを散歩？コースにしているということは、同じ
町内の人だろう。
朝から元気一杯で結構なことである。
早朝は昼間はわからない風景が見られて面白い。
