ロンドン・オリンピック・女子レスリング・72キロ浜口
京子選手は惜しくも初戦敗退となった。
私はこのロンドン・オリンピックで浜口選手を最も注
目していた。
これは今大会だけではなく、アテネ、北京も同様で
あった。
私にとって浜口選手は気になる選手なのである。
浜口選手は元プロレスラー・アニマル浜口氏の長女
であることは広く知られている。(以下敬称略)
私は、決して熱狂的ではなかったが、テレビのプロ
レス中継をよく観ていた。
アニマル浜口は、プロレスラーとしては小柄ながらも
闘志あふれるレスラーだった。
選手に対する評価が辛口で殆ど選手を褒めないこと
ていた。
アニマル浜口はスピード・テクニック・スタミナとレスラ
ーとして極めて優れた能力を持っていた。
だが、残念なことに小柄だった。
娘の京子と並んだ様子をみると、背丈が殆ど違わない。
2㎝ほど父親の方が高いかもしれない。
京子が170㎝と発表されているので、アニマル浜口は
172㎝ほどしかないことになる。
その体格で2㍍近い選手たちと試合をしてきたのだ。
これは並大抵のことではない。
そんなアニマル浜口を観てきた私にとって、京子選手
はとても身近に感じられる。
(あのアニマル浜口の娘さんか)
これは応援しなくては、という気になってくる。
多くのプロレス・ファンは、同じような気持ちを持ってい
るのではなかろうか。
私は何か親戚の子供がオリンピックで闘っているよう
な錯覚に近い感覚すら持ってしまう。
京子選手は、今大会も全力を尽くしたと思う。
京子選手は1997年のフランス・クレルモン=フェラン
大会で優勝し、2003年までの間に5回の世界王者にな
っている。
この間、京子選手は世界に敵無しの女王だったのだ。
世界の女子レスリング重量級の選手たちが京子選手
を目標にした。
研究し標的にした。
頭突きを顔面に食らわせられたこともある。
種目に加えられ浜口選手も出場した。
そのアテネでは銅メダル、北京でも銅だった。
世界はようやく京子選手に追いつき、そしてゆっくりと
抜き去ってしまった。
京子選手はよくやったと思う。
これからのことは性急に決めず、一息ついてからにし
てほしい。