不二家憩希のブログ

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女王の金メダル。

 ロンドン・オリンピック・女子レスリング48キロ級で小
原日登美選手が金メダルを獲得した。
 小原選手はオリンピック初出場ではあるが、レスリン
グ選手としては別格だった。
 旧姓・坂本日登美選手時代には50キロ前後の階級
で世界に敵無しだった。
 2000年にブルガリアのソフィアで行われた世界選手
権で金メダルを獲得して以来、2011年のトルコ・イスタ
ンブール大会までに8回も世界王者になっている。
 だが、オリンピックには縁がなかった。
 坂本選手の本来の階級である51キロ級は、オリンピ
ックの種目にならなかった。
 その下の階級の48キロ級には妹の真喜子選手がい
た。
 真喜子選手も強豪であり姉妹での争いは回避された。
 となると、上の55キロ級となる。
 その階級には吉田沙保里選手がいる。
 吉田選手はこの階級の無敵の女王である。
 坂本選手は2008年開催の北京オリンピックの出場を
かけ吉田選手と対戦した。
  その試合は事実上のオリンピックの優勝決定戦とも言
れた。
  吉田選手にっても坂本選手は世界でもトップ・クラスの
強敵だった。
  だが坂本選手は敗れてしまう。
 その後坂本選手は同年の東京で行われた世界選手
権での優勝を最後に引退してしまった。
 坂本選手はオリンピックとは縁遠いところにいたのだ
った。
 自分の階級はオリンピックには無く、他の出られそう
な階級には妹や強豪がいた。
 これは不運なのか、それとも巡り合わせなのか。
 2009年、妹の真喜子選手が結婚を機に選手を引退した。
 坂本選手は、それを受けて48キロ級で選手復帰をした。
 目指すは次のオリンピック・ロンドン大会である。
 復帰後最初の世界選手権で早速優勝している。
  復帰、即優勝である。
  やはり、ただ者でない。
 翌、2010年には自身も元レスリング選手の小原康司
氏と結婚し、競技者名も小原日登美とした。
 同年の世界選手権でも優勝している。
 小原(坂本)選手は、出場=優勝という選手なのだっ
た。
 世間的にはオリンピック未出場なので知名度は低い
が、間違いなく世界のトップ選手・女王である。
 そして、今回のロンドン・オリンピックを迎えた。
 小原選手は見事金メダルを獲得した。
 今回の勝利を”回り道の~””悲運の~”と形容した
メディアが多い。
 だが、これは果たして回り道だったのだろうか?
 悲運だったのだろうか?
 私には多少曲がってはいても勝利への一本道だった
ように見える。
 周囲の理解や協力、応援もあった。
 決して悲運とは言えないと思う。
 ただ、少し時間がかかっただけである。
 人生とはそういうものだと私は思っている。