不二家憩希のブログ

はてなブログに引っ越してきました。

浜口京子選手の誓い。

 女子レスリングの浜口京子選手のレスリングへの
取り組みへの大きな動機は何か?
 自分の自己実現のためか。
 レスリングが好きだからか。
 それらも大きな要素だろう。
 だが、京子選手にはより大きな理由があった。
 それは「父が教えてくれたレスリングが正しいこと
を証明するため」である。
 京子選手がアマチュアレスリングをはじめたばか
りの頃、京子選手には少なからず逆風が吹いていた。
 指導は、父・アニマル浜口だった。
 これが問題だったのだ。
 父・アニマル浜口は、元プロレスラーである。
 当然、アマチュアレスリングの素養もある。
 京子にアマチュアレスリングの指導も出来る能力
はあった。
 しかし、当時アマチュアレスリングの現場の指導者
はそうは考えていなかった。
 「元プロレスラーに最前線のアマチュアレスリン
の指導が出来るわけない」
 「せっかくの素材を潰しかねない」
 「京子選手を我々の指導下に入れるべきだ」
 元々、アマチュアレスリング界とプロレス界は極め
て良好な関係を築いてきた。
 それでも、アマチュアレスリングの指導者の中には、
元プロレスラーの指導に疑問を呈する者もいた。
 そうした声は京子の耳にも入ることとなる。
 京子は、そうした意見を聞き、ひるむことなく逆にこう
決意した。
「私が成績をあげてお父さんの指導法が正しいことを
証明する!」
 それからの京子は一層練習に力が入った。
 血は受け継がれたのか、京子選手はすぐに国内で
は敵無し状態になった。
 そして世界選手権でも優勝した。
 こうなると、アニマル浜口の指導に疑念を口外して
いた人達も認めざるを得なかった。
 「私がお父さんを認めさせるんだ!」
 この秘められた思いが京子選手の最大の原動力だ
った。
 ほとんど映画か小説の世界である。
 アニマル浜口京子選手のお馴染みのやりとりが
何度観ても、新鮮なのは根底にこうした熱いものがあ
ったからだと私は思っている。