不二家憩希のブログ

はてなブログに引っ越してきました。

離色家であることは秘密。

 私の離色については、私のリアルの世界において付き合
いのある人は殆ど知らない。
 知っているのは二人だけだ。
 いずれも私がついうっかり喋ってしまったからだ。
 一度ならず二度とは、私もおっちょこちょいである。
 そのうち一人に話してしまった時のことである。
 その人は私よりも年上の男性で宗教家である。
 素晴らしい人柄は、ひと目見ただけで誰でもわかるような
穏やかさを漂わせている。
 実に落ち着いた人である。
 私は話の流れで自分が離色中であることを喋ってしまった。
 その人は驚きを隠せないようだった。
 目が点になっていた。
 いろいろと尋ねられたので私は正直に答えた。
 驚きはなお増したようだった。
 私はこの様子を見て(言うんじゃなかった)と思った。
 その日以降、私はその人から特別な目で見られるように
なってしまった。
 評価のランクが何段も上がってしまったらしい。
 これは私の望むところではない。
 いつもの冴えない男として見てほしい。
 頼りにならない不二家君、不二家さんで良いのだ。
 私はこれに懲りてリアルの世界では自分が離色家であるこ
とは、一切表明しないことにした。
 特別扱いは面白くない。
 楽しくもない。
 むしろ悪いことである。
 それは長期的には人を落下させる要因となるのだ。