当市や隣の市では、B-1グランプリに出場しようと
運営元へ打診をした。
出場には条件があった。
①その地域の多くの異なる経営者による多くの店
で供されているメニューであること。
②食材としてその地域の生産物が含まれていること。
③その地域を代表するようなB級グルメであること
(何だ。そんなもんか。簡単じゃないか)と思われる
かもしれない。
だが、これがなかなかクリアできない条件なのだ。
まず①の条件がかなり難しい。
古くからその地域で親しまれているB級グルメは、
ひとつの飲食店の独占メニューであることが意外に多い。
その地域のいくつものスーパー内に出店し、皆に馴
染まれている味といったものである。
他にも同様の飲食店がそのB級グルメをメニューとして
いたとしても、圧倒的なシェアを持つそのメニューの代名
詞的な店の存在は揺るぎない。
それでは、駄目なのだ。
何故か。
仮にそのB級グルメが優勝したり、上位入賞を果たす
と、そのB級グルメはマスメディアの注目を集め広く知
られることになる。
そうなると、大会が代名詞的存在の店の宣伝媒体と
なってしまう。
そうした事態は、大会運営元としては絶対に避けたい。
この大会は、食による町おこし・活性化が目的であり、
大会が商業利用されることは趣旨から反してしまうからだ。
また、そういう方向に進むと多くのしがらみが発生し、
円滑な大会運営ができなくなる恐れもあるからだろう。
町おこし・地域活性化への協力はしても、特定のメーカ
ー・業者・店舗への肩入れは一切しない、というのが基本
方針なのである。
シンプルそうな①の条件をクリアすることからして難しい
のである。
~続く~