不二家憩希のブログ

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ピーター・フォーク氏ご逝去に寄せて その31

 ピーター・フォークは1960年になると、少しず
つ有名テレビドラマにも出演するようになってき
ている。
 そのうちの1本が4月14日放送の”The Untouchables
アンタッャブル”である。
 このテレビ・シリーズは、テレビ史上に残る
傑作で今日でも多くのファンを魅了している。
 このドラマは、禁酒法時代のシカゴを舞台と
した米国財務省酒類取締局の捜査官エリオット・
ネスと彼が組織した捜査チームの活躍を描いて
いる。
 エリオット・ネスは一般的なイメージと違い警察
官・刑事ではなく、財務省の役人なのだ。
 米国連邦政府はフーヴァー大統領就任後、暗
黒街の顔役アル・カポネを摘発に本腰を入れるこ
とになった。
 ギャングも狡猾なので、警察の手から逃れる術
を熟知していた。
 このままでは、いつまでたってもギャングを一掃
できない。
 そこで政府は脱税と禁酒法違反の容疑を軸に、
カポネを追い詰める方針を採った。
 エリオット・ネスは、禁酒法違反容疑、具体的に
は酒の密造と酒類の違法流通の捜査を任された
のである。
 ”アンタッチャブル”は、このアル・カポネ逮捕に
至る過程を、ネス自身とスポーツライターのオスカ
ー・フレイリーの共著のタイトルに由っている。
 しかし、この本はかつてはネスの回想録とされて
いたが、後の検証により誇張や虚偽の事実が多い
ことが判明しており、今日ではフィクションと見なさ
れている。
 テレビ・ドラマシリーズの”アンタッチャブル”は、
この本の時代背景や設定を元に、新たにエピソー
ドを作り上げた作品なのである。
 その”アンタッチャブル”は60分番組で、フォーク
が60分ドラマに出るのは、これが初めてである。
 フォークは”Underworld Bank 暗黒街銀行”の回
にゲスト出演している
 演出は、スチュアート・ローゼンバーグで、彼は後
に映画”暴力脱獄(ポール・ニューマン””悪魔の棲
う警官””パッショネイト・悪の華”を監督している。
 フォークは配役序列で3番目で、毛皮強盗の役で
ある。
 そして、この回には、あのトーマス・ミッチェルも出
演している。
 トーマス・ミッチェル、そう刑事コロンボをフォークよ
りも先に舞台で演じた名優である。
 ここで、フォークとミッチェルという二人のコロンボ
役者が出会っているのである。
 だが、この時点では、二人とも自分が将来コロンボ
役を演じることは知らない。
 ミッチェルが舞台でコロンボを演じるのが、この2年後、
フォークは8年後のことである。
 
 
 1本丸ごとアップされていたので転載する。
 冒頭最後にクルマから降り、会議の議長を務
めているのがトーマス・ミッチェルである。
 流石の貫祿である。
 フォークも3:35秒から登場している。
 警官を殴って射殺している。
 ちょっと、びっくりである。
 
 ~続く~