不二家憩希のブログ

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ピーター・フォーク≒コロンボ警部 その⑪

 ”刑事コロンボ”の再登場に好都合な二つ目は、コ
ロンボ警部の本来の設定にある。
 コロンボ警部といえば、ピーター・フォークの名演に
より中年刑事というイメージで知れ渡っている。
 だが、原作ではコロンボ警部は「定年間近のベテラ
ン刑事」という設定なのである。
 これは当ブログで再三記している。
 長年の経験を元に地道な捜査を積み重ね犯人を追
い込んでいくベテラン刑事というのが、原作者が思い
描いていたコロンボ警部なのである。
 大ヒットした戯曲版のコロンボ警部では、当時70歳
のトーマス・ミッチェルが演じている。
 実現はしなかったが、テレビ・シリーズを開始するに
当たり、原作者コンビがコロンボ警部役を希望してい
ビング・クロスビーは当時68歳だった。
 彼らは力のある俳優なので、自分の実年齢よりも
10歳くらい若く演じることは、簡単なことなのだろう。
 いずれにしても、コロンボ警部は原作の時点では初
老の刑事なのであった。
 それが、キャスティングの辞退が相次ぎ、コロンボ
警部役は当時41歳のフォークに回ってきた。
 原作者コンビも(ちょっと若すぎるのでは)と危惧した。
 しかし、そこはフォークの創造力ある役作りと自然な
演技でコロンボ警部役を自分のものにしてしまったの
だった。
 フォークの名演により、「コロンボ警部は定年間近の
刑事」という設定は忘れ去られてしまった。
 それどころか、戯曲版の功労者のミッチェルの存在
すらかき消されてしまっていた。
コロンボ警部は、さえない中年の刑事」という殆どの
人が持っている認識は、フォークの創作によるのであ
る。
 そして、時は流れて”刑事コロンボ”復活の時が来た。
 
 ~続く~