”新・刑事コロンボ”のスタートには好条件が二つも
揃っていた。
それは、この作品ならではのものである。
ひとつは、”レギュラー登場人物がひとりしかいな
い”という点である。
これは、昨日までに記したように、”刑事コロンボ”
の大きな特徴のひとつである。
レギュラーはコロンボ警部一人である。
準レギュラーすら存在しない。
となれば、主役のピーター・フォークだけを押えるこ
とができれば、作品を作ることが出来るということで
ある。
これは、制作サイドとしては好都合である。
普通のドラマのように何人もレギュラーがいると、
それぞれのスケジュールを調整しなければならない。
スケジュールが空いていれば良いが、そうばかり
とは限らない。
その俳優がライバル局やライバル・スポンサー提
供の番組に出演中だと面倒である。
出演そのものが不可能になってしまうこともある。
また、見た目が歳をとってしまっている印象がある
場合も厄介である。
配役の入れ替えを検討をしなければならないかも
しれない。
”新・刑事コロンボ”では、そうした心配が一切必
要なかった。
レギュラーが一人というのは身軽で良いものである。
~続く~