不二家憩希のブログ

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ピーター・フォーク≒コロンボ警部 その⑨

 ”刑事コロンボ”は、特殊な設定のドラマである。
 主要登場人物は、コロンボ警部ただ一人である。
 その他の登場人物は、毎回入れ代わる。
 したがってレギュラーもコロンボ警部だけである。
 セミ・レギュラーといえるような存在もほとんどいな
い。
 その中でも準レギュラーすれすれの役としてクレ
ーマー刑事とウィルソン刑事がいる。
 二人ともコロンボ警部の同僚の刑事でクレーマー
刑事は計4話、ウィルソン刑事は計2話に出てくる。
 クレーマー刑事はコロンボ警部に対して割とずけ
ずけとものを言う人で、明らかにコロンボ警部を変わ
り者としてみているのがわかる。
 そうした対応をコロンボ警部は少しも気にせず、普
通に接していくことにより、コロンボ警部の性格を描
き出す効果をもたらしている。
 一方、ウィルソン刑事は終始コロンボ警部に対す
る強い敬意を持った刑事である。
 全般に”刑事コロンボ”では、コロンボ警部は同僚
には意外なほど軽く扱われている。
 変人と見られていると思わせる描写もいくつもある。
 コロンボ警部は拳銃の携帯義務を怠り、射撃訓練
にも出ないのだから、仕方がないのかもしれない。
 だが、このウィルソン刑事だけはコロンボ警部に対
する敬意を隠そうとしない。
 この二人に対して、コロンボ警部は、ほぼ同じ態度
をとっているのが見物である。
 そして、この二人でさえ、4話と2話にしか出番がな
い。
 しかも、ドラマの展開には大きく関与していない役
柄である。
 準レギュラーと呼ぶには厳しいだろう。
 ”刑事コロンボ”は、レギュラーはコロンボ警部だけで
成立してしまうドラマといえる。
 
 ~続く~