”刑事コロンボ”は、特殊な設定のドラマである。
主要登場人物は、コロンボ警部ただ一人である。
その他の登場人物は、毎回入れ代わる。
したがってレギュラーもコロンボ警部だけである。
セミ・レギュラーといえるような存在もほとんどいな
い。
その中でも準レギュラーすれすれの役としてクレ
ーマー刑事とウィルソン刑事がいる。
二人ともコロンボ警部の同僚の刑事でクレーマー
刑事は計4話、ウィルソン刑事は計2話に出てくる。
クレーマー刑事はコロンボ警部に対して割とずけ
ずけとものを言う人で、明らかにコロンボ警部を変わ
り者としてみているのがわかる。
そうした対応をコロンボ警部は少しも気にせず、普
通に接していくことにより、コロンボ警部の性格を描
き出す効果をもたらしている。
一方、ウィルソン刑事は終始コロンボ警部に対す
る強い敬意を持った刑事である。
には意外なほど軽く扱われている。
変人と見られていると思わせる描写もいくつもある。
コロンボ警部は拳銃の携帯義務を怠り、射撃訓練
にも出ないのだから、仕方がないのかもしれない。
だが、このウィルソン刑事だけはコロンボ警部に対
する敬意を隠そうとしない。
この二人に対して、コロンボ警部は、ほぼ同じ態度
をとっているのが見物である。
そして、この二人でさえ、4話と2話にしか出番がな
い。
しかも、ドラマの展開には大きく関与していない役
柄である。
準レギュラーと呼ぶには厳しいだろう。
成立してしまうドラマといえる。
~続く~