”刑事コロンボ”から学んだこと、その5つ目は”無闇
に怒らない”ということである。
探偵・刑事ものドラマは”正義”対”悪”が基本である。
主人公は悪やその実行者である容疑者に対する怒
りや憤りを隠さないことが多い。
だが、コロンボ警部は殆ど怒らない。
いつも変わらず穏やかである。
これは、探偵・刑事もののドラマでは異例である。
全作品中でコロンボ警部が怒った様子が描かれた
のは、ごく稀である。
コロンボ警部が怒りをあらわにしたのは、どんな時
だったのか。
その事件の犯人はあまりに悪辣だった。
非道が過ぎたのである。
コロンボ警部は、いよいよ犯人を追い詰めるという
場面で、その犯人を厳しく糾弾した。
厳しいのであるが、激しくはない。
激した怒りではないのだ。
また長々と怒りをぶつけるということでもない。
ただ(あぁ、コロンボ警部が珍しく怒っていているな
ぁ)とわかる程度である。
何故、コロンボ警部は殆ど怒らないのだろうか?
それが、元々の性格なのだろうか。
怒りは、時にプラスに作用することもあるが、その
多くはマイナスしかもたらさない。
怒って冷静さを失い、とんでもない判断を下してしま
い後悔することもある。
怒りをうまく操るには、相当な技量が必要なのである。
コロンボ警部は怒らない。
それが、あのような見事な活躍の基礎になっている
のではなかろうか。
~続く~