不二家憩希のブログ

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”刑事コロンボ”から学んだこと その⑧

 刑事コロンボ”から学んだ6つ目のことは”仕事は楽
しく意欲的に遂行する”ということである。
 コロンボ警部は、いつも楽しそうに職務に取り組んで
いるように見える。
 だが捜査の出だしには「今朝は、まだ朝飯食べてい
ないんだよねぇ」とか「電話でたたき起こされて」等と言
っていることが多い。
 殺人事件は朝の8時に発生し通報の後、捜査は9時
から、といったように都合良くはすすまない。
 いつ何どき、出馬を要請されるかわからない。
 それでも捜査現場での他の刑事や警官たちが割と
テキパキと調べを進めているのを見ると、コロンボ警部
はスロースターターなのかもしれない。
 よりよれよれな感じのコロンボ警部が、輪をかけてよ
れた感じになってしまっている。
 しかし、そんな様子は最初のうちだけである。
 現場を這うようにして証拠を見つけようとし、関係者に
話を聞いたりしているうちに、ペースが戻ってくる。
 まるで犯行現場からコロンボ警部へとエネルギーが
充填されていくかのようである。
 そして、次に現場に姿を表す時には、普通のテンショ
ンになっている。
 事情聴取も「うちのかみさんが」「うちの姪っ子がね」
とお馴染みの身内話を取り混ぜて楽しそうに繰り広げる。
 話相手は身近な人が殺害されたばかりで少なからず
ナーバスになっている筈である。
 そうした心理状況をほぐそうとしているのかもしれない。
 見ていると、(刑事の仕事って、楽しいものなのか)と
思えてくる。
 コロンボ警部は捜査中はいつも生き生きとしている。
 嬉々として捜査に励んでいるように見える。
 犯人も、そんなコロンボ警部に対し焦りを隠せず「君
は楽しそうだね」と、つい嫌味を言ってしまう。
 探偵・刑事ものの作品で、コロンボ警部ほど楽しそう
に捜査に当たる人は珍しい。
 シャーロック・ホームズやエルキュール・ポワロは「こ
んな事件は気が乗らない」と平気でいったりする。
 これはおそらくこの二人が上流階級の育ちで気位が
高いためであると推測される。
 コロンボ警部はどんな殺人事件でも、分け隔てなく
取り組む。
 しかも、これほど楽しいことは他にはない、と思って
いるのではないかというほど熱心にである。
 コロンボ警部の仕事への取り組み方は、それだけ
で大量の記事が書けるほどである。
 人は自分の仕事をこなすに当たり、楽しく出来たら、
これ以上の幸せはない。
 コロンボ警部はロスアンゼルスでも屈指の幸せ者
なのだろうと思う。
 
 ~続く~