不二家憩希のブログ

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”刑事コロンボ”から学んだこと その⑨

 ”刑事コロンボ”から学んだことの7つ目は、”威張ら
ない”ということである。
 コロンボ警部は決して威張らない。
 警察=威張るというのは、探偵・刑事ものドラマ、
特に探偵が主人公の作品ではお約束である。
 警察官・刑事が強大な権力を後ろ楯にして踏ん反
り返り、民間の一調査員である探偵を見下すという
パターンである。
 いわゆる悪役ではないが、嫌われ役である。
 シャーロック・ホームズやエルキュール・ポワロの
作品では、警察官は威張った存在として描かれて
いる。
 こうした設定にすることにより、それぞれの個性や
立場を際立たせる狙いがある。
 だが、コロンボ警部は、威張らない。
 警察の力を笠に着るようなことは、決してしない。
 威圧感を与えるような行為は意識的に慎んでいる
ように見える。
 コロンボ警部は、自分の身なりには無頓着のよう
だが、他者への気配りはなかなか細やかなのである。
 また、話を聞かれる相手にしてみれば、突然身近
で起こった殺人事件に少なからず動揺している。
 そんな人に「警察だが話を聞かせろ」と上からの
態度を取られれば、平静な心情ではいられない。
 萎縮するか逆に反発してしまうだろう。
 そうなると普段だったら憶えていることでも、忘れて
しまう。
 結果として重要な証言を得られなくなる可能性もある。
 コロンボ警部は、そうした人の心理を熟知しており、
無用な心理的砦を作らせないようにしているのだろう。
 コロンボ警部の対人術には、学ぶことが多い。
 
 ~続く~