不二家憩希のブログ

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”刑事コロンボ”から学んだこと その⑩

 ”刑事コロンボ”から学んだ8つ目のことは、”話の
種はずっこけネタ・ドジ話を基本とする”である。
 ん?どういう意味?と思われるかもしれない。
 コロンボ警部は、聞き込みの相手と事件とは直接
関係の無い話をすることが実に多い。
 コロンボ警部の代名詞となった「うちのかみさんが
ねぇ」と話を切り出し、こんなことがあった、あんなこ
とがあったと日常の些細なことを報告する。
 「うちの姪っ子がですねぇ」とか「うちの甥っ子が」
という時もある
 そしてその内容が、ほぼ殆どが失敗談やドジ話、
失笑を買うようなものばかりである。
 うまくいった、大したものでしょう!という自慢げに
話す時もあるが、それはコロンボ警部がそう言ってい
るだけで、実はさほどでもなく、即座に相手に否定さ
れる様な程度のものばかりである。
 探偵・刑事ものの作品で、コロンボ警部ほど事件
関係者に失敗談・ドジ話をする人は他にはいない。
 身内に愚痴ったり、一人でぼやくという主人公はミ
ステリー作品には意外に多くいるが、聞き込み先で
は、切れ者としての顔を崩さない。
 クールな少し危険な男というイメージで接している。
 コロンボ警部は、極めて例外的な存在なのである。
 これはコロンボ警部の際立った個性の一つでもある。
 では、コロンボ警部は何故、そうした類型から外れ
た態度をとるのだろうか?
 コロンボが話を聞く相手は、普通の日常の中で降っ
て湧いた殺人事件に関係することになってしまい、心
中穏やかではないだろう。
 外見ではわからないかもしれないが、かなり動揺し
ているに違いない。
 そんな相手を少しでもリラックスさせるために、コロ
ンボ警部はある種自虐気味である失敗談を投げかけ
ているのではなかろうか。
 これは、コロンボ警部特有の優れたコミュニケーショ
ン術だと思う。
 そして、この手法は想像以上に奥が深いのである。
 次回はこのことについて掘り下げてみたい思う。
 
 ~続く~