不二家憩希のブログ

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”刑事コロンボ”から学んだこと その④

 ”刑事コロンボ”から学んだ二つ目のこと、それは
”誰に対しても丁寧な話し方をする”ということである。
 コロンボ警部は、その風貌や精緻な推理が話題
に上がることが多い。
 だが、その話し方にも強い特徴がある。
 コロンボ警部は、刑事ものをはじめとするミステリ
ー作品にしては異例な丁寧な話し方をする人なのだ、
 普通の映画やテレビドラマの刑事や探偵は、ワイ
ルドな少し乱暴な感じで話すことが多い。
 そんな中でも数少ない例外として、シャーロック・
ホームズやエルキュール・ポワロらがあげられる。
 この二人は、基本的に紳士的な物腰である。
 話し方も穏やかである。
 しかし、この二人はちょっと冷たかったり、嫌味だっ
たり皮肉っぽい言い方を度々する。
 話し相手が少々ムッとする場面も多い。
 これも、彼らのキャラクターを際立たせるための設
定であろう。
 一方、コロンボ警部は終始丁寧な話し方である。
 容疑者だろうと踏んでいても、その話方は変わらな
い。
 最終的に容疑者を落として警察官に連れて行かせ
る時になっても、やはり丁寧に話しかけている。
 コロンボ警部のこうした対応に米国では「コロンボ
部は犯人に優しすぎる」という批難の声があがったこ
ともある。
 そんなコロンボ警部でも、警察の同僚やいつも通っ
ている食堂のオヤジさんには、友達口調で話している。
 街の情報屋のような人たちにも同様である、
 決して誰に対しても丁寧、というわけではない。
 コロンボ警部とて聖人ではないのである。
 このあたりが、リアルで良いな、と思う。
 それでも、意外なほど紳士であることは、間違いない。
 私はこうしたコロンボ警部の人との接し方には大い
に学ぶことがあると思う。
 スムーズに物事を進めるには、円滑な対人コミュニ
ケーションが欠かせない。
 乱暴な言い方、上から目線の口の利き方では、うま
くいかない。
 たかが言葉、されど言葉である。
 ちなみに、コロンボ警部が丁寧な話し方をする、とい
う設定はピーター・フォークが持ち込んだアイディアで
ある。
 元の脚本にはそうは書いていなかったところを、その
場のアドリブで丁寧な物腰に変えたのだそうだ。
 この案は制作サイドにも了承され、コロンボ警部のキ
ラクターの大きな部分を占めることとなった。
 流石、フォークである。
 
 ~続く~