"刑事コロンボ”と言えば、まず思い浮かべるのが、
コロンボ警部の風貌である。
パリッとしていないレインコートに擦り切れたような
靴、キャベツのような髪型である。
コロンボ警部は、しばしば「よれよれの~」という
形容の仕方をされるが、これは必ずしも正確ではない。
レインコートは毎回よれよれというわけではない。
作品によっては、新しくしわもよっていないこともあ
る。
その下のスーツも地味なだけで汚れているわけで
はない。
ワイシャツもきっちりプレスされている。
ネクタイも普通である。
ただ、スラックスの折り目がついていないことが多い。
これだけで、スーツ姿が大いに減点されているの
だと思われる。
コロンボ警部は、見た目で異色なのである。
救貧所のシスターに路上生活者と間違われたことも
ある。
聞き込みの際には、ちょっと変わった目でみられる。
容疑者の中には露骨にその容貌からコロンボ警部を
小馬鹿にしている者もいる。
だが、コロンボ警部は、そんなことはお構いなしで捜
査を進める。
そして、最後には容疑者を逮捕する。
私は観ていて(根本的には、その人の能力なんだな
ぁ)といつも感じる。
見た目に気を配ることは、エチケットやマナーである。
しかし、それに気を取られすぎたりしてはならない。
自分の持つ力を傾注すべきは、自身の才能である。
また、見た目で安易に人を判断してはならない。
人の外見は単なる一面に過ぎない。
コロンボ警部は、こうしたことを私に教えてくれている。
~続く~