原作者コンビによるコロンボ警部の外見に関す
る描写は、
「目立たない茶色のスーツを着ている。古いトップ
コート(オーバー)を着ている。ボロボロのフェルト
帽をかぶっている」というたった3点だけだった。
脚本家は、登場人物についてはその台詞によっ
て全体を表す、と考えているので、この程度の描
写になっているのだろう。
それにしても、これは私たちが知っているコロン
ボ警部とはかなり違っている。
「目立たない茶色のスーツ」これは、同じである。
のスーツを着ている。
「古いトップコートを着ている」とある。
原作者は、コロンボ警部は常に捜査の外回り出
歩いており、コートが手放せないということをこの扮
装に込めているのだろう。
だが、コロンボ警部といえばオーバーコートでは
なくレインコートである。
オーバーコートとレインコートとでは、受ける印象
が大分違ってくる。
同じコートであっても別物と言えるだろう。
「ボロボロのフェルト帽」も、またコロンボ警部が
捜査で街を歩き回っていることを暗示させる効果を
狙っているものと思われる。
また、刑事や探偵とフェルト帽は、映画やドラマで
は定型化したお約束のファッションでもある。
子は一切かぶっていない。
帽子をかぶって出てくるシーンは一つも無かった思う。
フォークが帽子が似合わないからか?
否、そうではない。
フォークはギャング映画で、いつも帽子をかぶって
おり、実にマッチしている。
では、何故フォークは帽子をかぶらなかったのか?
それは、帽子をかぶってしまうと「あっ、いつものギ
ャングの俳優だ!」と思われてしまわないからではな
いだろうか。
ギャング役のピーター・フォーク。
~続く~