不二家憩希のブログ

はてなブログに引っ越してきました。

シェーバーの掃除でゴミを漁る。その➄

 私はごみ箱を覗き込んだ。
 回転刃はステンレス製の銀色である。
 鼻紙と髭ゴミに混じっていても、目立つはず
だ。
 光って見えるかもしれない。
 目を凝らしてみる。
 見つかれば、すぐに摘み上げればよい。
 だが見えるのはゴミだけだ。
 真上から落ちただけだからゴミの上に載って
いるのでは?という見込みは崩れた。
 では、どうすれば良いだろう?
 ごみ箱に手を突っ込んで探すべきか?
 しかし、ごみ箱に手をいれることには抵抗が
ある。
 何しろ相手はゴミである。
 そのゴミの素性は私が鼻をかんだ紙と髭ゴ
ミだ。
 つい最近まで自分の体の一部分だったもの
である。
 だが、一度体から離れてしまえばゴミになる。
 何と非情なことか。
 おっと、ゴミに情をかけている場合ではない。
 ここは一刻も早く回転刃を見つけなければ
らない。
 
 ~続く~