不二家憩希のブログ

はてなブログに引っ越してきました。

新語「亭主虐待」を発表する。

 私が最近思いついた新語に「亭主虐待」が
ある。
 これは、家庭で妻に精神的、肉体的、また
は経済的にいじめられている夫を指している。
 男性上位の世の中にあって、最もプライベ
ートな社会である家庭の中で夫が妻に虐げら
れる、というのはちょっと考えられないこと
のようだが、現実に起っている。
 と言っても、私が知っているのはそれほど
悲惨なものではない。
 お堅い職業のSさんは、普通の真面目な勤め
人で、大のクルマ好きである。
 ただのクルマ好きならどうということは無
いのだが、彼の所有するクルマが半端ではな
い。
 ポルシェと三菱ランサー・エボルーション
の2台である。
 2台とも世界的なスポーツカーの名車である。
 ポルシェ一台だけでも相当なものなのだが、
それに加えて通称ランエボまで買ってしまっ
た夫は自分の趣味が満たされて大満足なのだ
が、妻はそれが気いらない。
 Sさんは、資産家ではなく高額所得者でもな
い普通の人だからである。従って家計に占め
るクルマの金銭的負担は、かなり大きいもの
となる。
 特にポルシェは最高級スポーツカーだけあ
って維持費がとてつもなく高い。
 元々ポルシェは、世界の富豪を想定して作
られているので、かかるお金も手加減無しだ。
 クラッチ周りを少し修理しただけで40万円
もかかってしまう。
 40万円もあれば、かなり程度の良い中古車
が買えるではないか!
 その他にも維持費が尋常ではなくかかって
しまう。高級車は、容赦なくお金がかかるよ
うに作られているのだ。
 これが家計を圧迫してしまうので奥さんの
怒りも日々蓄積されてくる。
 普段は普通の奥さんなのだが、何か小さな
ことでも旦那さんがへまをすると奥さんの怒
りが爆発してしまう。
 料理中のフライパンで旦那さんの頭を殴る、
食事中のちゃぶ台ひっくり返す、など大暴れ
なのである。
 旦那さんは、自分のクルマの趣味が家計に
与える影響の大きさを理解しているので、こ
れらの虐待をじっと我慢しているのである。
 私としてはこの「亭主虐待」という言葉に、
少々ユーモラスな響きを持たせたいと考えて
いる。
 だが、その実態はどうなのだろうか?
 
 そう言えば、私は他にも亭主虐待の実例を
知っている。
 それらの例では、男はいつもじっと我慢し
て時が流れるのを待っているようだった。

 男は、実際のところ弱い存在なのである。