一軒はSさんだ。
Sさんは、国防関係に関わりのある一家である。
県の護国神社への寄付の際も、毎年多めの金額を寄付
されている。
もう一軒はTSさんである。
TSさんのお宅では、昨年亡くなった旦那さんの代までは
事実上の無宗教のお宅だった。
積極的に宗教を嫌う無神論というわけではないが、宗教
的な姿勢は極めて小さいお宅だった。
通夜・告別式に集まった親族の方々も、そんな感じの方
が多いようだった。
応募用紙の記名欄には、奥さんの名前が記されている。
宗教を遠ざけてきた旦那さんが亡くなり、お宅の方向性
が変わったように推測される。
元々奥さんは宗教に関心があったものの、旦那さんに気
を使って同調していたのではなかろうか。
神宮大麻を注文したからと言って、宗教心がある、とは言
い切れないであろうが、まるで無い人だったら何もしないで
あろう。
旦那さんが亡くなり、宗教上の自由を手にしたということ
になるのか?。
TSさんの奥さんは、今まで宗教には冷淡な感じの人だっ
た。
そう装っていたのだろうか。
人は見かけによらないものである。
~続く~