午後5時過ぎ、電話がかかってきた。
受話器を取り、ボソボソと愛想無く名乗る。
電話セールスの場合が多々あるからで、そのような面識が無い業者に対して普通のエネルギーを使い愛想よくしたいとは思わないからだ。
私は名乗ったが、返事がない。
何だ?
電話を切ろうとした時、相手は話しだした。
「今回の参議院選挙で」
何だこの話し方は?
各単語ごとに不自然な区切りがあり滑らかさがない。
電話をかけたことがないのか?
「○○△△が立候補しているのですが」
このワンセンテンスを話すのに、普通の3倍も時間がかかった。
あぁ~何だこの遅さは?
私は「○○△△に投票してくれっていう電話ですか?」と問いかける。
「は、はい、そうです」
モタモタと答えが返ってきた。
「はい、わかりましたぁ」
私はそう言ってすぐに電話を切った。
あぁ、嘘をついてしまった。
私はその候補者には投票していない。
まぁ、これくらいの嘘は仕方あるまい。
それにしても、あんなに電話が下手な人に投票依頼の仕事を任せるとは、どういうことか?
人材不足ということか?
あれでは、国政は任せられないなぁ。