元日の朝6時20分、私は起床した。
朝7時から行われる新年祭に参加するためである。
開始数分前にギリギリ到着できるか?といった時刻である。
もっと早く起きて時間に余裕がほしいところである。
それは十分わかっている。
だが、何しろ朝は寒い。
目は覚めていても布団から出られないのだ。
起床後、最低限の身支度をして家を出る。
自転車で走り始める。
この時気温は2℃である。
幸いにも風は吹いていない。
薄暮の中を走る。
大急ぎである。
普段ののんびりしたペースでは間に合わない。
元日の朝である。
街はまだ眠っている。
対向車は無い。
道にいるのは私だけである。
道路独り占めで走る。
幹線道路の交差点に来た。
2台のクルマが信号待ちである。
私は走る。
有名寺院に近づいてきた。
歩道に人が一人二人と歩いている。
寺院に近づくに連れ人の数は増えていく。
当地ではこの寺院への初詣は自宅から徒歩で参拝される方が多い。
寺院の駐車場は満車で、周辺民家の庭先設置の有料駐車場に停める気にも
なれないからである。
それなりの距離を歩いて参拝すると何か有り難さが倍増すると言う効果
もある。
私はなおも走る。
定刻に遅れたくないからだ。
「だったら、もっと早く起きれば良い!」という声が聞こえそうである。
それはわかっているが、出来ない。
これも煩悩である。
~続く~