他の用事を済ませ、市内の有名寺院に向かう。
この寺院への参拝も私にとっては不要ではないが不急である。
参拝は不定期で気が向いたら行くことにしている。
私はこの寺院のそれほど熱心な信者でもない。
ただ、この寺院は通常であれば全国から参拝客が集まる。
「ご利益がある」「霊験がある」と言われている。
「パワースポットだ」という評判もある。
そのような寺院が市内にあるなら無視するのはもったいない。
(それだったら私もお参りしておけば、良いことがあるかも?)
(時々お参りしてゴマをすっておけば、ご利益をくれるかも?)
そんな思惑があって参拝している(笑)
私の自転車は寺院の周辺エリアまで来た。
門前に連なる土産物屋や飲食店はその殆どが閉店している。
公式には「非常事態宣言が出されているので閉店します」ということになっている。
これは体裁を整えた見栄っ張りな言い訳である。
非常事態宣言以前から参拝客は激減していた。
参拝客は通常時の90%以上減少していた。
土産物屋や飲食店は開店休業状態だった。
「参拝客が来ないなら店を休みにしよう」
非常事態宣言は、役所が与えてくれた休業する便利な言い訳である。
(随分辛辣だな)
そう思われるかもしれない。
それにははっきりした理由がある。
それについては、またの機会に譲ることにする。
山門から境内に入る。
参拝客は殆どいいない。
ガラガラである。
私以外には5~6人しかいない。
日曜日の午前9時半とは思えない。
外出の自粛が行き渡っているのか。
寺社参拝は不要不急ということか?
私は参道を通って拝殿に着いた。
拝殿前には、私一人である。
独り占めである。
いつもの祈念をする。
そして、拝殿を後にした。