私が就寝しようとすると号砲が鳴った。
時計を見る。
ちょうど零時である。
私は年明けをできるだけ意識しないように努めている、
年明けと言っても日が変わるだけ、月が変わるだけだ、何も特別なこと
はない、と思うようにしている。
毎年そう思って過ごしているが、深夜零時を過ぎると一種特別な気持ち
になる。
気持ちが改まったような気になる。
何故そうなるのか?
長年の意識への刷り込みがそうさせるのか?
私は毎年これに抵抗してきた。
だが、今年も敗れてしまった。
やはり気持ちが変わってしまうのだ。
不思議である。
1年暮らしてきても、こういう気持ちになるのは新年への切り替わりの
瞬間だけである、。
他の日、他の月ではこうならない。
何とか平静な気持ちで年明けを迎えたいなぁ。
でも、なにか無理なような気もする。
刷り込みとは恐ろしいものである。