った。
普段はこうした話し方をなさる方なのであろう。
「奥様」といった感じである。
出演作品のどれとも似ていないような話し方である。
少なくとも当たり役の声とは全然違う。
ということは、作品では声を創っているということである。
①それぞれのキャラクターに合わせて声を創り、②その
創った声で演技もする。
二段階の手間がかかっているということになる。
これは、凄いことだと思う。
演芸のモノマネのように、1フレーズ、2フレーズであれば、
何とかできるかもしれない。
そうした真似事は一般人でも、よくやることだ。
だが、創った声でずっと演技を続けるのは難しいと思う。
一般人がやると、すぐに地声に戻ってしまうのだ。
これは実際にやってみると、すぐにわかる。
声を創り、記憶し自分に定着させる。
吹き込みの際には、いつも同じ声を再現し演技をする。
声の出演、今でいう声優は、技量とセンスがないと務ま
らない仕事だと思う。
増山さんはこれを60年代からずっとやってこられた。
業界やファンに高く支持されなければできないことであ
る。
まさに時代を創った声である。