「増山さん、歌もいくつか歌われて?」
で、なんで歌かって言うと「ひょっこりひょうたん島」でテケ
ちゃんっていうのをやってて。
その宇野 誠一郎さんが曲を書いてらしたんですね。
それで宇野先生が「上手に歌を歌わなくていい」「テケの
気持ちになって『俺は台所が大好きなんだ』っていうのを
表現出来たら、歌が上手じゃなくてもいいから」って、そう
いう感じでいろんな歌を歌わしてくださっていたんです。
で、そのうちに「さるとびエッちゃん」のテーマも宇野誠一
郎さんで、先生が「テーマだけ歌って!」ていう感じだった
んです。
で、「え~私、歌なんか歌ったことなんか、ただ「ひょっこり
ひょうたん島」で5年間みんなで歌ってきたんで歌が少し
わかってきたかな、って感じがしたんですけど。
あのもうとにかくそうやって歌わしていただいて。
その前に「アンデルセン物語」があって、その中に私が狂
言回しのキャンティっていう女の子をやってて。
その時ズッコっていうのがルパンコンビなんです。
山田 康雄さんだったんです。
それでその二人が狂言回しでどんな作品のなかにも出て
くる。
でキャンティのテーマとかズッコの歌とか。
ズッコが山田さんが歌うんですけど。
で宇野誠一郎って役者さんに歌わせるのがすごく好きで、
そのうちにテーマとかが歌えるようになったっていうか。
沢山歌わせていただきました。
歌の喜びですか?
それは得をした気分でした(笑)
歌えるようになったって言うことが。
「えぇ~、そんな私で良いの?」っていう感じがしてたんで
すけど。
テーマを歌わせて頂くっていうのはやっぱり相当嬉しいこ
とです。
だから宇野誠一郎さんがちゃんと認めてくださって。
本当に先生がいなかったら歌は歌わなかったかなって思
うんですけど。
また、先生よく書いてらしたんで、そのなんでも「アンデル
セン」もそうだし、思い出せないほどいっぱいあって。
ほんとにほんとにすごい歌はたくさん歌いました。
聞き書きここまで。
専業の歌手ではなく、声の出演者が歌うというスタイルは、
観ている子供達には嬉しいものである。
得をした気分、というコメントは面白い。