不二家憩希のブログ

はてなブログに引っ越してきました。

増山さんから後進へのアドバイス。

 次に増山さんが後進の人たちについて語っている。

「声優を目指している大勢の若い子たちがいらっしゃいます
けど、言いたいことは?」
 やっぱり、なるべく本をたくさん読んで、いろんなキャラク
ターの勉強っていうか、するべきだと思います。
 今の若い方たち、本をあんまり読まないですよね。でも、
本のなかに出てくるキャラクターのイメージっていうのを自
分が作っていって、役作りの時に役に立つとか、そういうこ
とだと思うんですけれど。
 本当に本読む方少ないっていうか。見てるとね。
 だから長いことこういう人たちは続かないじゃやないかと
私思うんですけど。
 やっぱり何十年ってこの業界に生き残っていくためには、
ただアニメの声だけやってればいいってことではないと思う
んですね。
 自分だけじゃないわけでしょ、いろんな方と一緒にやるわ
けだから。
 やっぱりなるべくいろんな本を読むって言うこと大事だと
思いますね。
「増山さんたちは先ほどお話して頂いたように舞台からほ
とんどの方たちが始まって、やっぱり役者ですよね。その延
長線上に声優と言う言葉が(当時は)無くて、今、声優とい
うお仕事にまい進されてこられたわけですけれども、また
時代が変わりつつあって、今歌って踊れてアイドル的な声
優さんも増えてきてます。どうでしょう、こういう現象に関
しては?」
 それはそれでいいんじゃないですか、現代のアニメのブ
ームが来たっていう、そういう歌ったり踊ったりできるし、
声もできるっていうことで、みんなまた憧れて「やりたい!」
って思う」ようになる方が多いんじゃないかしら。
 (声だけでは)って思う方もいるかもしれないですよね。
 できることなら歌も歌いたいし踊りも踊りたい、舞台も立ち
たいって思っている方いっぱいいると思うし。
 定期的にお芝居やってる方もいますよ。
 だから、それはそれで勉強になるんじゃないのかな、って
思ってます。
「声優を目指していくに当たって大切なことって、どういうこ
とだと思いますか?」
 アニメーションていうのは絵があって、そしてその絵にどい
だけ自分がぴったり合うかって言うことですよね。
 だからそれにはやっぱり、キャラクターの勉強をしておか
ないと、とんでもない役が来た時に、もうどうしていいかわ
かんなくなっちゃうと思うので、何にでも対応できる準備は絶
対しといた方がいいと思いますね。
 歌を歌ったり踊ったりお芝居したりっていう今の若い方た
ちはちゃんとやってるので、これからまた違った表現の仕方
とかも出てくるかもしれないし。
 作品の形態も変わってきましたよね。
 私たちがアニメーションをやってる頃は、それぞれのキャラ
クターがものすごくはっきりと違った。
 この3つ見ても全然違いますよね。
 でも今、ヒロインはみんなお目目がこんな(大きくて)なんか
どれを見ても同じような気がするんですけれど。私は、よ。
 私がやってきた過程は、みんなそれぞれ絵も個性があっ
たし、作家によって違うっていうのが、はっきり違ってたんで。
「どれも同じように見えるということは、どの方も同じよう
に聞こえてしまうという可能性がある?」
 そうです、そうです。
 だから、アニメ声っていうのが自分がインプットして、「この
声がアニメ声なんだ」って思っているかもしれないです。
 私が考えてたのは、キャピキャピするアニメ声じゃなくて、
地を這うような声とかそういうののキャラクターによっては
変えてましたよ。
 U子ちゃんがアニメ声で「Qちゃん、Qちゃん!」なんてでき
ないから。
 それはどういうふうに作っていこう?っていうのが本当楽
しみだった。
「いろいろな声を創っていくのに大切なことは?」
 キャラク
ターが違うことですよ。絵が。やはり絵が会ってのアニメー
ションなんで、絵に合わすことが私たちの仕事ですから。
「地声っていうんでしょうか、自分のちゃんとした声を知る
ことっていうのも?」
 (それも)ありますし、ただ自分の持ち味だけでやってた
ら進歩が無いでしょ?
 この声の中での幅を持たせる、いろんな。
 持ち味だけの声で成立するものもあれば、そうじゃない
(役もある)。
 それに挑戦するのが楽しいわけですから。
全然違う、私に合ってないキャラクターを演じることが、す
ごく逆に楽しい。
 本当に楽しいですよ(小笑)

 聞き書きここまで。

 ここに出てくるU子ちゃんとは「オバケのQ太郎」の登場
キャラクターのオバケのU子のことである。
 増山さんが演じている多くの他のキャラクターとは全然
違う声である。
 発声法を変えて演技をすることは、高度な技量が必要と
されると思われる。