不二家憩希のブログ

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ストラデッラのスキャンダルと音楽。

 今週のNHK-FMの「古楽の楽しみ」はイタリア・
バロックの週だった。
 「ストラデルラの生涯と音楽」というタイトルでスト
ラデルラという作曲家の作品が紹介された。
 ストラデルラは日本ではストラデッラとも表記され
るようだ。
 1644年にローマで生まれ1682年に没している。
 このストラデッラという人は、作曲家として大変な
才能の持ち主であった。
 だが、その私生活は無茶苦茶な人だった。
 当時の音楽家は、王族、貴族か教会にパトロン
なってもらって生活を支えてもらい音楽活動をしていた。 
 日本で言うところのタニマチである。
 ストラデッラはベネチアの貴族の世話になっていた。
 ストラデッラはその貴族の愛人の音楽教師としての
役目も担っていた。
 愛人にまで音楽を習わせるとは、かなりの余裕であ
ろう。
 当時はそれくらい常識だったのかだろうか。
 あろうことか、ストラデッラはその愛人と深い関係に
陥り駆け落ちしてしまった。 
 激怒した貴族は、ストラデッラに刺客を放った。
 この時は暗殺は不調に終わった。
 刺客もタダでは動いてはくれない。
 適当なところで退却したのかもしれない。
 ストラデッラは一命を取り留める。
 普通だったらここで生き方を改める。
 しかし、ストラデッラはそうはならなかった。
 ジェノバで貴族の援助の元、音楽活動を再開した。
 そして、その貴族の愛人に手を出したのだった。
 懲りない男である。
 ストラデッラはまたしても刺客を送られることとなった。
 人生2度目の暗殺の危機である。
 普通の人は、こういう状況にはまずならない。
 そして、この時はストラデッラの悪運は尽きていたのか、
あっさりと殺されてしまったのだった。
 ストラデッラのこのスキャンダルは当時も大反響を呼んだ。
 これらのエピソードを元にオペラも作られ上演された。
 ではストラデッラの音楽は、どんな感じだったのか?
 これが、その半生とはかけ離れた清々しい作品ばかり
なのである。
 イメージとして、ちょっと結びつかない感じですらある。
 クリエーターの人間性と作品は、必ずしも相関関係には
ないという一例である。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 実に素晴らしい音楽である。