不二家憩希のブログ

はてなブログに引っ越してきました。

最後の雇われ作曲家・ハイドン。

 NHK-FM「あなたの知らない作曲家の素顔」の再放
送があった。
 一回目はハイドンだった。
 当ブログでは、今年度の第一回目はシューベルト
記していたが、これは私の勘違いである。
 その前日に、ハイドンの回が放送されていたのだ。
 ハイドンは「最後のお雇い音楽家」の世代に当たる。
 ハイドンあたりまでの音楽家は、国王、貴族、教会
に雇われて生計を得ていた。
 この時代の経済強者は、これらの者たちだった。
 経済力は彼らの独占下にあった。
 商業者たちが経済力を持つのは、もっと後の時代に
なってからである。
 西洋ではプロでなおかつフリーの音楽家は存在しな
かった。
 ハイドンは、雇い主に雇われる自分の境涯に逆らう
ことなかった。
 その暮らしに十分満足していた。
 実話か否かは定かではないが、ハイドンに会ったモ
ーツアルトがその生き方に不満はないのか?と尋ねた
らしい。
 ハイドンは「音楽をやって生きていけるのなら、満足だ
よ」と語ったらしい。
 ハイドンは上手に世渡りをし堅実に生き、多くの名曲
を残した。
 長い音楽史の中で、こうした生涯を送った人は珍しい。
 多くの音楽家が、その才能からくる自信からか周囲と
衝突し揉め事を度々起こしている。
 ハイドンは穏やかな本当の人格者だったのかもしれな
い。
 この番組でもハイドンは、円満な人生を過ごした人と紹
介されていた。
 ただ奥さんがイマイチな人だったらしい。
 まぁそれくらいは人の世に起こることとして仕方ないだろう。
 完璧なことなどこの世ではありえないからである。