不二家憩希のブログ

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羽生選手のショートプログラム曲・その②~フーチー・クーチー・マン

 フィギュアスケート羽生結弦選手のショートプログ
ラムでの使用曲は、ゲイリー・ムーア作曲・演奏の
「パリの散歩道」で始まる。
 そして別の曲に繋げる編集がされている。
 その曲は「フーチー・クーチー・マン」である。
 と言っても、「フーチー・クーチー・マン」の主要旋律
は使われていない。
 羽生選手が使っているのは、ギタリストでヴォーカリ
ストのジェフ・ヒーリーが演奏した「フーチー・クーチー・
マン」におけるギターソロを取り出して編集している。
 このギターソロは、ヒーリーによる即興演奏と思われる。
 つまり「フーチー・クーチー・マン」という曲と言うよりも、
ジェフ・ヒーリーのギター即興演奏とした方が正しいだろう。
 ジェフ・ヒーリーはカナダの盲目のブルース・ロック・ギ
タリストである。
 独学でギターを習得し、極めて個性的なギターの構え
方をする。
 ギターを膝の上に置いて上から弦を抑え、ピッキングする。
 ちょうどスチールギターのような演奏態勢である。
 ブルース・ロックをレパートリーの中心としたギタリストで、
豪快にして流麗なギターは熱心なファンを獲得した。
 ヒーリーは惜しくも2008年に41歳の若さで亡くなっている。
 生前のヒーリーは、音楽ファンだけでなく特にプロのミュ
ージシャンにも指示された。
 だが、ブルース・ロックという元々それほど大きくないマー
ケットのためか、誰でも知っているようなヒット曲を残しては
いない。
 「知る人ぞ知る」というほど無名ではないが、知られてもい
ない存在だった。
 いわゆる通向けのギタリストだった。
 音楽マニア以外には知られていないとも言って良いだろう。
 そんなヒーリーの演奏を、大事なショートプログラムに用い
るとは、実に珍しいことである。
 曲の選定は羽生選手本人とコーチとで話し合って決めた
そうだ。
 羽生選手はジェフ・ヒーリーを知っていたのか?
 それとも、コーチの勧めによるものなのか?
 二人の内どちらか、もしくは両人ともが相当な音楽マニア
であろうと推測される。
 ゲイリー・ムーアではじまり、ジェフ・ヒーリーで締める。
 年季の入ったロック・ファンをもうならせる選曲である。
 お見事である。
 
 
  
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 こういう感じでギターを弾く。
 ライブなのでセカンド・ギタリストにもかなり弾
かせている。