不二家憩希のブログ

はてなブログに引っ越してきました。

ピーター・フォーク~コロンボ以上に変わった男。その⑱

 フォークは、せっかく入った政府予算管理局では
あったが、すぐに辞めてしまった。
 そして、俳優への道を歩み始めることとなる。
 政府の役人から俳優とは、随分思い切った方向
転換である。
 今となってみれば正しい決断だったといえるのが、
その当時はどうだったのだろうか。
 コネもなにもない世界に飛び込むのである。
 しかも、フォークはとびきりの2枚目というわけで
もなく背もとても低い。
 年齢も30歳直前である。
 それでも、俳優になろうとしたのだからその決意
は相当なものだったのだろう。
 役人から芸能界入りした人は日本にも何人かいる。
 佐藤慶会津市役所の戸籍係だった。
 だが、新劇活動に熱中し役所を退職してしまった。
 お笑い芸人のアントキの猪木も元市役所職員であ
る。
 かすみがうら市役所で建築課、土木課、福祉課に
務めていた。
 役所広司も、その芸名の通り元役人である。
 東京都千代田区役所の土木工事課勤務の役人だ
ったが、仲代達矢の芝居に感銘を受け俳優を志す。
 そして仲代達矢主宰の無名塾に入塾し俳優として
のスタートを切る。
 芸名の”役所”は仲代がその前職と「役どころが広
くなるように」ということから命名している。
 女優の山村紅葉は、元国税局の国税調査官だった。
 この人の場合は明らかにコネ筋からの芸能界入り
だったが、今では一定の地位を築いている。
 さてハリウッドは人材が多彩なので、ひょっとしたら
フォークのように元役人野俳優が他にもいても不思議
ではない。
 だが、そう沢山はいないだろう。
 政府の役人にまでなっていながらそこを辞めて俳優
の世界に飛び込むとは、普通の感覚ではまず出来ない。
 フォークは、やはりちょっと変わっているのである。
 
 ~続く~