不二家憩希のブログ

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特急列車をくい止めろ。その③

 この2本目の特急列車はいつもの特急では
なかった。
 ウォーター・エキスプレス、つまり水下痢だ
ったのだ。
 私は、これまでに水下痢になったことは一
度しかなかった。
 それももう何年も前のことである。
 その時は単に水下痢というだけで、他に不
快な症状は何もなかった。
 そのため私は、これは下痢のバリエーション
の一つだろう、くらいに捉えていた。
 私は水下痢についての知識も無かった。
 知ろうとも思わなかった。
 それにその時はすぐに治ってしまった。
 薬の服用もしなかった。
 治ってしまえば、それで終わりである。
 これ以上下痢について追究する必要もなかろ
うと思ったので、特に調べもしなかった。
 それから私は、再び床に就いた。
 やれやれ、これでゆっくり眠れる。
 発車する列車は、もう無いだろう。
 車庫に他の列車が待機している様子も無かっ
たからである。
 私は眠りに就いた。
 だが、その眠りは三度破られることになる。
 ~続く~