この2本目の特急列車はいつもの特急では
なかった。
ウォーター・エキスプレス、つまり水下痢だ
ったのだ。
私は、これまでに水下痢になったことは一
度しかなかった。
それももう何年も前のことである。
その時は単に水下痢というだけで、他に不
快な症状は何もなかった。
そのため私は、これは下痢のバリエーション
の一つだろう、くらいに捉えていた。
私は水下痢についての知識も無かった。
知ろうとも思わなかった。
それにその時はすぐに治ってしまった。
薬の服用もしなかった。
治ってしまえば、それで終わりである。
これ以上下痢について追究する必要もなかろ
うと思ったので、特に調べもしなかった。
それから私は、再び床に就いた。
やれやれ、これでゆっくり眠れる。
発車する列車は、もう無いだろう。
車庫に他の列車が待機している様子も無かっ
たからである。
私は眠りに就いた。
だが、その眠りは三度破られることになる。
~続く~