私は2度の発車を見送った後、床に戻った。
やれやれ、もうこれでゆっくり眠れる。
もう2便も運行されたのだ。
これで残りの列車はいないだろう。
私は安心感の内に眠りに就いた。
だが、私は三度、目が覚めた。
またしても発車の模様である。
時計をみると12時半である。
また1時間後だ。
1時間に1本か。
まさしく特急列車である。
私は気をつけてトイレに行った。
特急だけに何が起こるかわからない。
慌てて駆け込んで、脱線してしまったら一大
事である。
積み荷が沿線に散乱することは何としても避
けたい。
私は何とか落ち着いて列車を発車させること
が出来た。
今回もウォーター・エキスプレスだった。
特急列車が3本も続くとは、私にとっては初
めてである。
だが、私はこの時点でも大して慌ててはいな
かった。
2度あることは3度ある。
これが現実になっただけだからだ。
それに3本も発車されれば、いくらなんでももう
終わりだろう。
この強制収容所は無限空間ではない。
列車にも限りがある筈だ。
私はそう思って、また眠りに就いた。
だが、これで終わりではなかった。
~続く~