不二家憩希のブログ

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町内会の委任状を集めて回った。その①

 これは2週間ほど前のことである。
 土曜日の昼過ぎ、町内会の役員のSさんが
回覧書類を持って来られた。
 各戸配布である市の広報紙と各戸閲覧のプ
リントを筒状にして輪ゴムで止めたものを置
いて行かれるのである。
 Sさんは、回覧物がある時はこうして各班
班長宅を回って行く役目なのである。
 これらの回覧物の内容に関してはSさんが
決めているわけではない。
「回覧物があるからお願いします」とSさん
宅に持って来られたものを、Sさんが配って
いるのである。
 言ってみれば町内会の配達係である。
 10軒ほどだけとは言え、これはこれで面
倒な役目だと思う。
 半月に一回に発行されている市の広報紙の
配布の他に、イレギュラーに発生する回覧書
類も届けなければならないからである。
 その日も回覧物は筒状に纏められており、
縦に立つほどの厚みがある。
 私は、その回覧物を点検しバインダーに止
める作業に取り掛かった。
 見ると、茶封筒がある。
 表に「区長さんへ」と黒地の明朝体で印字
されている。
 家庭用のプリンターの普及と高性能化によ
り、これくらいのことは朝飯前なのだろう。
 あぁ~、いつものかぁ~。
 この茶封筒には町内会から区長への仕事の
依頼が入っているのだ。
 区長の任務で重要、もしくは面倒なことは
口頭で説明せず、封書で依頼してくるのだ。
 私としては口頭で指示された方がうれしい
のだが、当町内会では書類の指示が基本にな
っているようだ。
 口で言うよりも、こちらの方が威力がある、
と考えているのかもしれない。

 ~続く~