不二家憩希のブログ

はてなブログに引っ越してきました。

Aさん亡くなる。その①

 班長さんが来られた。
 「訃報です」
 あぁ、また訃報か。
 今年は多いなぁ。
 今度はどなただろう?
 私は玄関へ行く。
 訃報のお知らせの紙を受け取るためだ。
 当町内会では、町内で訃報があると15㎝×10cmほど訃報
がプリントされた紙を受け取る。
 その昔は班長による口伝えだった。
 班長が各戸を廻って口頭で訃報の内容を伝えて歩いた。
 各戸では班長が読み上げる訃報の内容を、その場でメモした。
 内容は、故人と喪主の名前と年齢、所属する班名、通夜、告
別式の日程と会場、仏式か神式の別についてである。
 80年代の中頃になると、コピー機の普及と低価格化等もあり、
訃報は印刷された紙を配るという形となった。
 これは班長の重要な任務の一つである。
 町内会の役員から班長に訃報の紙が戸数分届けられ、そ
れを即刻配布伝達しなければならない。
 「訃報でAさん」
 えぇ~Aさん?!
 また当班の人だ。
 Aさん亡くなったのか?!
 
 ~続く~