班長さんが来られた。
「訃報です」
あぁ、また訃報か。
今年は多いなぁ。
今度はどなただろう?
私は玄関へ行く。
訃報のお知らせの紙を受け取るためだ。
当町内会では、町内で訃報があると15㎝×10cmほど訃報
がプリントされた紙を受け取る。
その昔は班長による口伝えだった。
班長が各戸を廻って口頭で訃報の内容を伝えて歩いた。
各戸では班長が読み上げる訃報の内容を、その場でメモした。
内容は、故人と喪主の名前と年齢、所属する班名、通夜、告
別式の日程と会場、仏式か神式の別についてである。
80年代の中頃になると、コピー機の普及と低価格化等もあり、
訃報は印刷された紙を配るという形となった。
これは班長の重要な任務の一つである。
町内会の役員から班長に訃報の紙が戸数分届けられ、そ
れを即刻配布伝達しなければならない。
「訃報でAさん」
えぇ~Aさん?!
また当班の人だ。
Aさん亡くなったのか?!
~続く~