不二家憩希のブログ

はてなブログに引っ越してきました。

車椅子の男性とすれ違う。

 今日は気温は最高でも10℃位までしか上がらない
のだが、晴天で日がさしているのでそれほど寒さは感
じない。
 これが、同じ気温10℃でも曇天だと肌寒さを感じ
てしまうのだ。

 私は、いつものスーパーへ買い物に行った。
 いつも通る道を自転車で走って行く。
 風が少しあるものの、その風にも冷たさは無い。

 児童公園の横の道を行くと、向こうから車椅子に乗
った男性が来る。
 車椅子と言っても、最近では種類がいろいろある。
 昔からある銀色のもの、電動のもの、自動車会社が
販売しているもの等がある。
 この男性が乗っているのは、車高が低く両輪が椅子
に対して斜めになっているものである。
 黒い車体が精悍な感じがする。
 それは陸上競技用にも使用されるようなもののよう
である。
 こういう車椅子は、テレビなどで使用しているとこ
ろはよく見るのだが、実際に使っているのを見るのは
私は初めてである。
 その男性は50代前半位の浅黒い顔の人であった。
 車椅子の後ろに、エコバッグ風の袋をぶら下げてい
る。男性が来た方角からすると買い物の帰りらしく、
袋の中には買ってきたばかりの品物で膨らんでいる。
 こういう様子もテレビなどではよく見るものである。
 だが、この男性はテレビで観る人たちとは少し違っ
ていた。
 その男性の顔は決して幸福そうなものではなかった
のである。
 歯を食いしばり、辛そうな顔で車椅子のを車輪を回
しているのである。
 
 私達がテレビなどで見る障害のある人達は、カメラ
を意識してか大体にこやかな人が多い。大体笑ってい
る。
 しかし、現実の社会の中では、大変なことも多いの
だと思う。
 笑ってばかりいられないと思う。
 中途で突然障害を持つようになった人の精神的な苦
労は、私達には理解できないところにあるのではない
だろうか。

 私もこの男性のような人を見かけたのだったら、車
椅子を押して差し上げれば良いのだが、それがなかな
か出来ない。
 進行方法が逆だったこともあるのだが、私とその男
性とは、ただすれ違っただけで終わってしまったので
ある。

 世の中の住み難さの多くは、相互の理解不足と現実
面での実行力不足にその要因がある。
 私もその要因を作っている一人なのである。

 見過ごすことは容易だが、見過ごされている人の苦
痛は計り知れないものである。
 孤立は苦痛をより大きくするからである。