不二家憩希のブログ

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馬に例えられる首相

 安倍首相は「政界のサラブレッド」と言われてきた。
 祖父とその弟が首相で、父親も大臣経験者で派閥の領
袖、その他にも血縁には国政に携わってきた政治家がこ
れでもかというほどいるためである。
 親戚に二人も首相がいる家系なんて、世界的にもそう
あるものではないので、特別扱いされても不思議はない。
 それにしても、政界のサラブレッドという形容の仕方
にはちょっと笑えてしまう。
 サラブレッドといえば馬のことである。
 人間を馬に例えるなんて、面白い。
 馬に例えられる人間とは、どういう人間なのか。
 足が速いのか。 沢山食べるのか。鼻息が荒いのか。
 元々、馬の形容に使われてきた言葉を人間にも当ては
めるとは、これはずいぶん乱暴なことではないだろうか。
 どれだけ素晴らしくとも、馬は馬である。
 人間ではない。
 これが、面長の人を馬面、とか言われれば大抵の人は
腹を立てるだろう。笑ってすごせるのは三遊亭円楽さん
くらいのものであろう。
 それが、サラブレッドと言われると言われたほうも悪
い気がしないらしく、サラブレッドという形容を拒否し
た人というのも聞いたことはない。
 彼らは馬に例えられて、ご機嫌なのである。

 言語とは単なる道具であり、人間の相互の共通認識に
基づいて成立している信号である。
 サラブレッド=良い家系の人、ということで皆が了承
しているのであれば、ここにお馬さんの出てくる場面で
はないのかもしれない。
 
 ところで、馬にしても人間にしてもサラブレッドが必
ずしも良い成果を上げられない、という点で共通してい
ることが今回の事態でも明らかになった。 
 これは馬が人間に似ているためか、人間が馬に似てい
るためか。
 だが、共通点もある。
 馬にしろ政治家にしろ、走らせるのは一般人である。
 私たちは、彼らが暴走しないように見守らなければな
らないのである。
 暴走の末に被害を蒙るのは、常に一般人であるからだ。