らしである。
もう十分年寄りなのに、恐ろしく元気である。
農業と地域の仕事、そして家事全般をこなしている。
素晴らしいことである。
だが、私にはすこしだけ頭が痛いことがある。
親戚の皆から「○伯父さんも1人でちゃんとやっている
んだから、ケーキ君も頑張りなさい」と言われることである。
おぉ、それは厳しいなぁ。
私と伯父を一緒にしてくれては困る。
そもそも人間としての出来が最初から違うのだ。
伯父はある種の超人である。
テレビ局が取材に来るほどではないが、ちょっといない
種類の人間である。
なんでも水準以上こなせる。
思い切り低く見積もっても、いずれもプロの最低ライン
をクリアしている。
体格も良く、スタミナもある。
体が丈夫なのだ。
一方私はトホホな感じの男である。
共通点は、一人暮らしということだけである。
そのたった一つの共通点を基準に「お前も頑張れ」と言
われてしまうのだ。
そう言われれば、黙って聞くしかない。
親戚に口答えをすると、陰でろくなことを言われかねな
い。
ジミー大西氏の得意セリフ「お前も頑張れよ!」と言い
たいところだが、じっと我慢をする。
こんな苦労があるとは伯父は知らないであろう。
世の中そういうものである。