不二家憩希のブログ

はてなブログに引っ越してきました。

善意銀行に寄付した洋服

 昨日から地元の百貨店で善意銀行によるチャリティバ
ザーが行われている。
 このバザーは善意銀行に寄付された物品を販売し、地
元の福祉事業に充てるというものである。
 市価の6割引から8割引という価格設定なので、毎年
大勢のお客で賑わっている。今年も開店前に80mの行
列が出来たそうだ。ブランドバーゲン並みの熱気ある。
 私は昨年、母の遺品の服を寄付している。今年は、そ
れらも売られるのである。

 母は恐ろしく沢山の洋服を持っていた。
 整理して50cm程の高さにして並べてみると、6畳
間が埋まってしまった。その他にもぎゅう詰めにした衣
装ケースが6本もあった。
 地味な暮らしをしていたという印象のある人だったの
だが、着る物は沢山持っていた。
 晩年から遡ること12年ほどの頃、母は資産家の農家
のおばあさんと知り合いになった。二人はすぐに意気投
合したらしい。そのおばあさんから、いろいろと洋服を
頂いていた。
 それらの洋服は男の目から見ても高そうなものばかり
だった。
 殆どがブランド品かオーダー品で、ニットも手編みだ。
 衣装もちの人は、買っても何回も着ないものだから、
母が頂いてきたときも新品同様だった。
 そのおばあさんが、4年ほど前に亡くなった時、ご遺
族から是非受け取って、と言われ、そのおばあさんが持
っていた服を母はそっくりそのまま引き継いだので、服
の量は激増した。

 寄付される洋服を受け取りに来た善意銀行の人も、あ
まりの量に驚いていた。
 車に積んでいて全部載るか心配になったのだが、何と
かぎりぎり詰め込んだ。
 申し訳ないので、些少だが現金も寄付した。

 残された洋服を、何とか有効活用される方法を考えて
いて善意銀行に寄付することを思いついたのが昨年の10
月なので、そろそろ1年になる。早いものだ。
 
 実は母の衣料品関係の遺品はまだある。
 自分の手編みのセーターが小さいたんすに一さお分あ
る。
 あんな顔でも呉服屋の末娘だったので、着物もたんす
一さおあるのだ。

 形見ではあるが、男の自分にはどうしようもないもの
ばかりである。

 物はいつでも、頭を悩ませてくれる。