私が今回落札した本は、いずれも翻訳者から挨拶状付きで贈呈された品である。
本を翻訳して、その本をプレゼントするのであるから昵懇の間柄であろう。
そのような品をヤフオクに出品してしまうのであるから、ある意味酷く失礼な話である。
翻訳者が知ったら落胆するであろう。
だが、世の中にはそのような経緯を歓迎し是非入手したい、という私のような者も存在している。
義理を重んじ死蔵したままにするのか、世に出して本当に欲するの手に渡った方が良いのか、捉え方は様々であろう。
私が推測するに、本を贈呈された方は既に亡くなっておられるのでないか?。
翻訳者さんはかなりの高齢であり、そのご友人、知人が故人となっている可能性は十分にある。
その方は添えられた挨拶状とともに本も綺麗に保管されていた。
没後、遺族が遺品整理をした結果「ネットオークションに出せそうだ」と見て出品されたに違いない。
私はそう考えている。
これらは私の勝手の良い想像なのかもしれないが、大きくは違っていないと思う。
送られてきた品のきめ細かい梱包や丁寧な扱いを見て、その思いを一層強くしたのだった。