午後7時からNさんと私は交通整理をしている。
その先の通りを会場としてお祭りの行事が行われており、そこにクルマが乗り入れないようにするためである。
交通整理業務の予定終了時刻は午後8時である。
わずか1時間の任務であるが、意外と重要なのだ。
終了予定の午後8時が近づいてきた。
体感温度2℃と春としては厳しい中であったが、楽しく務めることができた。
顔を血だらけにして倒れていた方も、特に続報も無く、大事にはなっていないようだ。
8時になりNさんと私は、路上に掲示していた看板の撤去を始める。
そして、お祭り集会所に戻り任務完了の報告をする。
これで私達の今回のお務めは終わりである。
Nさんは、お祭り会場を見に行くそうだ。
熱心で関心な方は、お祭り会場に行って「何か手伝えることはないか?」と尋ね待機する。
私はそうした立派な人ではない(苦笑)
私は再び集会所に上がり込んだ。
ペットボトルの緑茶を飲み、おつまみを食べながら、酔っぱらいたちの話を聞くのだ(笑)
長老格の男性SN(推測)が靴を履いたまま、上がり框に横になっている。
泥酔の末、寝込んでしまっているそうだ。
(こんなになるまで飲まなくても良いのに)と皆が感じているだろう。
当地のお祭りは基本、アルコールは飲み放題である。
飲酒を止める人はいない。
自力で目が覚めるまで、寝かしておくようだ。
私は皆さんの話に耳を傾ける。
病気の話が多いなぁ。
世代や環境が異なる皆さんの数少ない共通点が病気なのであろう。
「どこが悪い」「ここが痛い」という話には事欠かないようだ。
自虐ネタの一種であり、面白く話せる能力のある方の話は聞いていて興味深い。
そうしている内に9時になった。
そろそろ退却の頃合いだな。
そう思っていたところに、お祭り会場に行っていた方々が戻ってこられた。
この日の行事は終わったようだ。
町内会長の挨拶が始まるようだ。
「本日の行事は無事事故もなく滞りなく終わることができました。明日は他の町内からの申出により、当初は朝7時半開始となっていましたが、7時10分となりました。よろしくお願いします」
えぇ~、7時10分開始?!
朝の20分は大きいよなぁ。
だが誰からも文句は出ない。
皆さん、偉いなぁ。
私だったらブツクサ文句を言っているところだ。
もっとも私は日曜日は参加しないので、言える立場ではないが(笑)
では、おいとまするか。
私の任務はこの土曜日一日だけである。
法被と帽子を返却する。
帯は頂けるそうだ。
お祭り集会所を出る。
大風は未だ吹いている。
私はNさんと共に家に向かって歩き出した。
~続く~