Nさんと私は時折通るクルマや人を案内している。
そこへ年配の男性が歩いてきた。
お祭り集会所で飲んでいたMNさんである(この名前は推測であり自信がない(笑)
この記事中では、名前をハッキリと知らない人が多く、便宜上イニシャルをふるが、それも推測によるイニシャルである)
MNさんは、かなり出来上がっている。
足元がおぼつかない。
千鳥足である。
「大丈夫ですか?」
Nさんが声をかける。
「あぁ、大丈夫、大丈夫」
MNさんは手を振ってそう答えた。
MNさんは蛇行しながら家の方へ歩いて行く。
泥酔者の見本のような足取りである。
本当に大丈夫かな?
まぁ、大丈夫だろう。
ここから何軒か先の家である。
お宅までは無事たどり着けるだろう。
それから5分後、お祭り集会所からFさん(推測)が来た。
「今、MNさんが通ったでしょう?MNさん、途中で転んで顔中血だらけで倒れているそうです。それで今から見に行くところです。お祭りに行く途中の人から集会所に連絡があったんですよ。血だらけの人が道に倒れているって」
あぁ、そうなったか。
なりそうな気もしたが、そうでもないとも言える(苦笑)
お祭りの時は、皆が自分がハイになっており、ワイルドになっている。
細かい気遣いができにくくなっているのだ。
顔を血だらけにして倒れているMNさんを見て、びっくりしただろうな。
当地のお祭りは、飲酒に寛容、鷹揚である。
この程度のことは、よくあることのうちのひとつである。
数分後、Fさんが戻ってきた。
「家の目と鼻の先の所で倒れていて。家に連れて行ったら、ご家族に無茶苦茶怒られていました(笑)」
顔から倒れたので出血したが、大事にはなっていないようだ。
良かった、良かった。
それにしても、あんなになるまで飲みたいかねぇ?
Nさんは下戸であり、私もアルコールは普段は一切飲まない。冠婚葬祭か町内等の行事で飲む機会があれば、わずかに飲むだけである。
また、ここでアルコール批判、飲酒批判を展開しても無粋なだけなので、それ以上は語らなかった。
飲みたいんだろうなぁ。
大目に見るとするか。
少し上から目線で、そう納得したNさんと私であった。
~続く~