夜7時台で大風が吹く体感温度2℃の屋外はなかなか厳しい。
Nさんは予めそれを見越して、真冬の格好で来ている。
私は例年の4月の服装である。
気温に応じて着るものを調節するという、ごく当たり前のことが私にはできない。
何故か?
面倒くさいからである。
冬物は、すでに仕舞っている。
それを再び引っ張り出すくらいなら、寒さに耐える方を選ぶ(苦笑)
「寒そうだね。家に戻って着替えて来ても良いよ?俺が見ているから」
Nさんは私を気遣って、そう仰る。
私は丁重にお断りする。
時折来るクルマに案内とお願いをし、それ以外の時はお喋りをする。
寒くて仕方ないが、それを除けば、まぁ楽しい役目である。
爆竹の火薬の匂いが流れてくる。
当地は夜でも爆竹が轟く。
お祭りだから特別である。
「夜だから静かにしろ」「時間を考えろ」といった声は出ない。
公序良俗無視である。
この非日常感が楽しい。
~続く~