私たちの割り当て時間は3時までである。
時計を見る。
残りあと5分だ。
途中何度もおしゃべりを交えたので、多少気をつ
かったものの退屈しなかった。
こう言うときにおしゃべりは、なかなか有効である。
道具も要らず、お金もかからない。
話す内容に注意していれば、楽しむこともできる。
そして3時なった。
私はINさんと顔を見合わせて、終了を確認した。
事前の説明では「時間が来たら現地解散、ただし
配布した黄色いジャンバーは集会所に返す」というこ
とだった。
INさんは 他の持ち場を確認してから集会所に戻
るそうだ。
私は集会所に向かって歩き出す。
小雨は降り続いている。
この通りの数百メートル先では、お祭りの行事で賑
わっていることだろう。
歓声もここまでは聞こえてこない。
結局、祭典長は一度も顔を見せなかった。
お祭りが始まってしまえば、それどころではなかった
のだろうか。
クルマで巡回するだけでもすれば、皆の気持ちも違
ったことだろう。
祭典超が勝手のよい人であることは間違い無さそう
だ。
次回の協力は見合わせたい気分になった。
私は集会所に着いた。
受け付けでジャンバーを返した。
名簿で一着ごとチェックされていた。
小雨の中、私は家へ帰った。