不二家憩希のブログ

はてなブログに引っ越してきました。

お祭りの裏方で。その⑪

 私たちの割り当て時間は3時までである。
 時計を見る。
 残りあと5分だ。
 途中何度もおしゃべりを交えたので、多少気をつ
かったものの退屈しなかった。
 こう言うときにおしゃべりは、なかなか有効である。
 道具も要らず、お金もかからない。
 話す内容に注意していれば、楽しむこともできる。
 そして3時なった。
 私はINさんと顔を見合わせて、終了を確認した。
 事前の説明では「時間が来たら現地解散、ただし
配布した黄色いジャンバーは集会所に返す」というこ
とだった。
 INさんは 他の持ち場を確認してから集会所に戻
るそうだ。
 私は集会所に向かって歩き出す。
 小雨は降り続いている。
 この通りの数百メートル先では、お祭りの行事で賑
わっていることだろう。
 歓声もここまでは聞こえてこない。
 結局、祭典長は一度も顔を見せなかった。
 お祭りが始まってしまえば、それどころではなかった
のだろうか。
 クルマで巡回するだけでもすれば、皆の気持ちも違
ったことだろう。
 祭典超が勝手のよい人であることは間違い無さそう
だ。
 次回の協力は見合わせたい気分になった。
 私は集会所に着いた。
 受け付けでジャンバーを返した。
 名簿で一着ごとチェックされていた。
 小雨の中、私は家へ帰った。