不二家憩希のブログ

はてなブログに引っ越してきました。

お祭りの裏方で。その②

 集合時刻は午後1時である。
 遅れないように準備をする。
 前の集まりで指示された通り地図のプリントも忘れ
ずに持っていかなければならない。
 あぁ、こんなふうに気をつかうのも、僅かながら心理
的な負担である。
 外は小雨が降っている。
 私は傘を差して家を出た。
 集会所には、定刻の5分前に着いた。
 他の皆さんは、ほぼ集まっておられるようだ。
 中に入ると黄色いビニール・ジャンバーを渡された。
 これを着ることにより、お祭りの関係者というアピール
の意味があるのだろう
 見ると胸に「〇〇会」と刺繍がある。
 なんだ。
 市会議員選挙の時の運動員が着ているものと同じ
ではないか。
 祭典長が最初の集まりの際に「皆さんには、私の知
り合いの関係で衣装が用意してあります」と得意気に
言っていたのは、このことだったのか。
 確かに知り合いかもしれないなぁ。
 呆れる。
 私は中程に座って辺りを見渡す。
 祭典長はいない。
 グループリーダーに指示しているからOKと言うことな
のだろうか。
 昨日の幟立ての時にもいなかった。
 グループリーダーが立ち上がってメンバーを集める。
 私のリーダーはINさんである。
 当町内では古顔で要職も歴任している。
 そのため発言力も大きい。
 私の両親よりも少し年下のようだが、ほぼ同世代であ
る。
 両親のこともよく知っている。
 これは逆らえないなぁ。
 もとより私は逆らうつもりはない。
 「町内会の行事ではおとなしく」
 これが自分で決めた鉄則である。
 
 ~続く~