不二家憩希のブログ

はてなブログに引っ越してきました。

黙って聞いている。

 私はこの年齢になって、ようやく身につけた作法がある。

 それは「人の話を聞いていて、いちいち反論、訂正などをせず、黙って聞いていること」である。

 私は昔からこれができなかった。

 人が間違っていることを言っているのを聞くと、即座に反応してしまう。

 「それは間違い、こちらが正しい」と言ってしまっていた。

 黙っていられなかった。

 間違いを正すことこそ正義だ、と確信していた。

 だが、ここ数年、それは本当に正しい姿勢なのか?と思うようになった。

 他者の発言に反応し真実を教えても、それは功を奏するとは限らないことに気がついたのだ。

 私が教えても、その発言者は必ずしも自説を改めるわけではない。

 内心では自説を固持しているであろうことが、見て取れる。

 私が意見しても殆ど意味がない。

 私のその場の発言程度で人は変わらない、変わろうとしない。

 彼らは彼らで自力で真実を見出してくれれば良い。

 彼らが間違った価値観、考え方を持続していったとしても、それも彼らの運命である。

 私は彼らの話を黙って聞いていることにした。

 この方が私の精神衛生上も益が大きい。

 沈黙は意味があることに気がついたのだ。

 あぁ、もっと早くこれを悟っていればなぁ(苦笑)

 お恥ずかしい限りである。