大いに飲まないにしても、それぞれそれなりに飲む。
普段黙っているようなことも、つい口に出てしまう。
会長さんがその隣の席の人と何か話している。
「だから、そういうところがここが田舎なんですよ」
当地の前例踏襲主義による意味のない事務的慣習につ
いて指摘しているようである。
明らかに無駄なことなのに手間をかける。
これは多くの人が感じていることであろうが、人前で口に
だすことは少ない。
会食の席ではあるが、これも一応町内会の公式行事であ
る。
公の場である。
そこでの発言であり、意味はある。
だが、「これはアルコールが入った上での発言だ」という
計算もあるのかもしれない。
公の場における町内会運営に対する批判は、避けられて
きている。
そうした共通認識自体が当地が田舎であることを証明し
ている。
だが、表立って批判をすれば、それを封じ込めようとする
勢力が存在する。
ムラ社会のボスたちである。
彼らの対応ぶりは私も以前から聞いている。
(これが自分が住んでいる町の人なのか)とがっかりさせ
られる。
会長さんは大企業の「偉いさん」で、視点も広く見解もクリ
アである。
当町内会における不合理について、何も思わないわけが
ない。
~続く~