不二家憩希のブログ

はてなブログに引っ越してきました。

「お参り、ご苦労さまでございます!」

 これは昨年末のことである。
 こう書くとずいぶん昔のことのように感じられるが、実際
には約10日ほど前のことである。
 私は用事を済ませて自転車で家に向かっていた。
 町内連合会の区域に入った。
 道の左手にお寺が見え始めた。
 ちょっとお参りしていくとするか。
 そこは本尊とは別に聖徳太子が祀られている。
 これは当地としてはちょっと珍しい。
 聖徳太子は日本仏教の事実上の創始者でありながら、
祭祀されていることは少ない。
 門から入ると本堂の左前に聖徳太子のお堂がある。
 これだけでも小さなお寺の本堂並みのサイズがある。
 お堂の前の参道の両脇には赤い幟が並んでいる。
 幟はいずれも新しく、定期的に新しくなっているようだ。
 少なからず信者さんがおられるようだ。
 祈念が終わって振り返ると、大きな声が聞こえて来た。
 「お参り、ご苦労さまでございます!」
 見るとお寺の奥さんらしき方が、少し離れた位置で微笑
んでおられる。
 私に声をかけてくれたのだ。
 へぇ~、珍しい。
 当地では、このように声をかけられたのは初めてである。
 こういう声をかけられると気分が良いな。
 また、来ようという気になる。
 私は楽しい気持ちで自転車に乗り家路についた。