こう書くとずいぶん昔のことのように感じられるが、実際
には約10日ほど前のことである。
私は用事を済ませて自転車で家に向かっていた。
町内連合会の区域に入った。
道の左手にお寺が見え始めた。
ちょっとお参りしていくとするか。
そこは本尊とは別に聖徳太子が祀られている。
これは当地としてはちょっと珍しい。
祭祀されていることは少ない。
門から入ると本堂の左前に聖徳太子のお堂がある。
これだけでも小さなお寺の本堂並みのサイズがある。
お堂の前の参道の両脇には赤い幟が並んでいる。
幟はいずれも新しく、定期的に新しくなっているようだ。
少なからず信者さんがおられるようだ。
祈念が終わって振り返ると、大きな声が聞こえて来た。
「お参り、ご苦労さまでございます!」
見るとお寺の奥さんらしき方が、少し離れた位置で微笑
んでおられる。
私に声をかけてくれたのだ。
へぇ~、珍しい。
当地では、このように声をかけられたのは初めてである。
こういう声をかけられると気分が良いな。
また、来ようという気になる。
私は楽しい気持ちで自転車に乗り家路についた。