不二家憩希のブログ

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「世間虚仮、唯仏是真」

 聖徳太子のお堂にお参りしたのは、もう一つ理由があった。
 昨年、聖徳太子が日頃から語っていた言葉を知った。
 「世間虚仮、唯仏是真」(せけんこけ、ゆいぶつぜしん)
 これは天寿国繍帳という染色工芸品に織り込まれている。
 聖徳太子の后の橘大郎女が、聖徳太子を忍び作成を命
じたものである。
 この言葉は聖徳太子が日頃から口にしていたとされてい
る。
 「世間は虚しくて仮のものであり、仏のみが真実である」と
いう意味になる。
 この言葉はかなり有名な詞らしいのだが、私は昨年まで
知らなかった。
 ひょっとしたら読んだり聞いたりしたことがあったかもしれ
ないが、私のお粗末な脳は見過ごし、聞き逃していたのであ
ろう。
 この世間というのは、今日でも普通に使われている社会、
世の中という意味の他にもう一つある。
 仏教用語では、世界を意味するそうだ。
 流転、変化し留まることのない生き物と地球が存在するエ
リアを指す。
 この3次元世界とも言えるだろうか。
 「この世界は虚しくて仮のものであり、仏のみが真実である」
 ヒンドゥー教の一派では、この世界は幻であると断言してい
る。
 聖徳太子は、混乱し流されていく世の中の様子を見て虚仮
と言ったのか、あるいは世界そのものが虚仮であると言った
のか?
 どちらであろう?